生化学的検査
検査項目名称 | 遊離サイロキシン(FT4) | ||
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コード | 00153 | ||
統一コード | 4B0350000023051 | ||
検体必要量(mL)容器 / 保存 | 血清 0.5 | A-1 | 全血(室温) 遠心分離後(冷蔵) |
採取条件・提出条件 / 備考 | |||
所要日数 | 1 | ||
検査方法 | 化学発光酵素免疫測定法(CLEIA) | ||
基準値 | 0.76~1.65(ng/dL) | ||
実施料 / 判断料 |
容器画像
コンペジウム
高値 | バセドウ病、無痛性甲状腺炎、亜急性甲状腺炎、T3中毒症、プラマー病、慢性甲状腺炎の亜急性期、TSH産生腫瘍、甲状腺ホルモン不応症、先天性TBG増加症、薬物性甲状腺中毒症 |
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低値 | 慢性甲状腺炎(橋本病)、特発性粘液水腫、クレチン病、甲状腺亜全摘後、放射性ヨード治療後、抗甲状腺剤の過剰投与、亜急性甲状腺炎や無痛性甲状腺炎の回復期、下垂体性甲状腺機能低下症、視床下部性甲状腺機能低下症、先天性TBG欠損症 |
解説 | 甲状腺ホルモンであるサイロキシン(T4)は、血中ではその大部分がサイロキシン結合蛋白質(TBP)に結合しており、遊離サイロキシン(FT4)は0.03%にすぎないことが知られている。FT4は甲状腺作用は有するものの活性は弱く、実際に甲状腺ホルモンとして作用するのは遊離トリヨードサイロニン(FT3)で、FT4は専らFT3の前駆体の役割が大きいと考えられている。しかしFT4は、組織でT3に転換され、代謝亢進などの作用を発現するため、血中FT4量が甲状腺機能の状態を直接的に示す指標であると考えられている。また血中のT4濃度はTBPの増減や質的異常によって変化するが、血中のFT4はTBPに影響されないため、より生体の代謝状態を反映する。このように血中FT4の測定は種々の甲状腺疾患の診断と治療効果の観察に有用とされている。 |